国内屈指のマリコン（海のゼネコン）として知られ、港湾や海岸、海洋での土木工事で役立つ様々な技術や船舶を持っているのが特徴です。その技術力の高さには目を見張るものがあり、100年近い歴史の中で育んできたノウハウの蓄積と技術的改善に加えて、地域や協会といった幅広いステークホルダーとの信頼醸成により、一朝一夕には成しえない高い競争優位性を有しています。「日本の沿岸を自然災害から守る」という社会的使命に応えるべく、日本で起こった様々な激甚災害時の復旧復興にも貢献しました。

エネルギーの安定的な供給は、人々の生活を豊かにすると同時に、経済成長を支え、国家の力となります。しかし、エネルギーを生むための環境汚染や、それがもたらす気候変動は、今後も全人類に大きな影響を与え続けると考えられます。
有数の海洋国家である日本は、激甚災害に立ち向かわねばならない一方で、海洋環境からもたらされる巨大なエネルギーを活用した技術・ノウハウが蓄積されやすい特異な環境であるといえます。この日本固有の自然環境が持つポテンシャルを生かし、エネルギー課題国として、環境・海洋関連のテクノロジーを育み、世界を牽引する技術を生み出すことはこの国の未来に必要なことと考えます。

国土を守るという社会的課題への貢献を通して海洋での技術を培ってきた日本のマリコンは、日本が海洋国家として成長していくカギを握る企業へなりうると考えます。なぜなら、海を解明し利用するテクノロジーの到来が、すぐそこまで来ているからです。海には宇宙と同じくらい人類にとって未踏の海域が拡がっており、いまだ多くの海洋環境データが眠っています。AIやロボティクスなどの先端技術を取り入れることで、海の未知の部分を解き明かすことが出来るのです。

激甚化する災害に立ち向かうべく、社会資本維持に必要なインフラや協力体制を保持することは、東洋建設の社会的使命です。ノウハウの蓄積と技術的改善といった事業基盤を維持し、次の数百年に亘って継承することを、なにより大事なことと考えます。
同時に、先鋭的なビジョンと、迫りくる社会課題の解決への使命感をもちながら、東洋建設だからこそできる技術・ノウハウを活かした事業変革に腰を据えて取り組むことで、より良い社会に向けての価値創造を推し進めていきます。

大きな柱となるのが、洋上風力を中心とする海洋エネルギー事業領域での成長。供給上のボトルネックを解消するサービスインテグレーターとして産業へ貢献していくことによって、海洋エネルギー関連データをベースに、風況・潮位・海底地盤・海況など様々な環境データを獲得・統合・活用します。超長期では「海洋データのプラットフォーマー」へ事業領域を拡大していくことによって、洋上風力発電から潮流発電の最適発電の支援、船舶運航・損害保険へのサービス提供など、新たな事業を創出していきます。